はじめに
幼稚園時代に甘いお菓子ばかり選んでいたうちの子供が、唯一食べていたしょっぱいお菓子が“おにぎりせんべい”でした。
あの甘辛いしょうゆの味は、確かにクセになる美味しさです。そして、おにぎりせんべいが三角形であることには、ほかのせんべいとの違いを生み出そうという考えがあったことをご存じでしょうか?
つまり、三角形のせんべいが出来たあとに“おにぎり”という名前が付けられたのです。
そして、ロングセラーとなったその歴史と、売り場で目立つパッケージのデザインについても調べてみました。
人々の心をガッチリ掴んだ、おにぎりせんべいの魅力を探っていきましょう!
はじまりは幼稚園の運動会!お菓子交換での出合い
うちの子供はとにかく“食わず嫌い”が多いです。一度も食べたことの無い食べ物なのに、「なんとなく食べたくない」という理由だけで拒否!これには日々、悩まされてきました。
そんな子供がおにぎりせんべいを好きになったのは、幼稚園の運動会がきっかけでした。子供が通っていたのは、園児の人数が少なくてとてもアットホームな幼稚園。3学年合わせても園児は40人ほどです。
そこで、運動会の日はそれぞれが40個のお菓子を持ち寄って、お弁当のあとに盛大な“お菓子交換会”が行われていました。普段食べたことのないいろいろな種類のお菓子をもらえて、ハロウィンパーティに似た楽しさがあったようです。
お友達からたくさんもらうお菓子の中に、“おにぎりせんべい”が毎年入っていました。おにぎりせんべいは、大きな袋でも小さな袋でも販売されていることをご存じでしょうか?108グラム、62グラム、25グラムの袋のほか、もっと小さい袋の商品は“ファミリーパック”として売られています。
40個ものお菓子を用意するにあたり、頭を悩ませるお母さん達が多かっただろうと思います。そんな時に、ファミリーパックがあるおにぎりせんべいはとても便利なのです。
そして、運動会のにぎやかな雰囲気のなかで、楽しいお菓子交換会。普通に家でおやつを食べる時よりも、おいしさが増すのでしょう。運動会のあとから、子供がおにぎりせんべいを日常的に食べたがるようになりました。
おにぎりせんべいが三角になった理由と、こだわりのパッケージデザイン
私がおにぎりせんべいをよく買うようになったのは子育てが始まってからですが、お店では何年も前からよく見かけていました。おにぎりせんべいが誕生したのは、どのくらい前なのでしょうか?
なんとその歴史は50年を超えていました!おにぎりせんべいを作ったメーカーは株式会社マスヤ、誕生は1969年7月のことでした。まさかそれほど長い歴史があるとは驚きです。
当時おにぎりせんべいのデビューの携わった方達は、ほかのせんべいと差別化するために形を工夫してみたそうです。せんべいといえば丸い形のものが多いですよね。それほど多くはありませんが、四角いせんべいも食べたことがあります。
そこで作ってみることにしたのが、三角形のせんべい。確かにこれは当時でも現在でも珍しいことが分かります。
そして、「三角形なら、おにぎりだね」という話になって“おにぎりせんべい”という名前が付けられました。
さらに、店頭で見かけたおにぎりせんべいの商品が記憶に残っていたのは、そのパッケージにインパクトがあったからだと気付きました。
一見、派手な感じがしますが、なんとなくどこかで見たことのあるような色使い。おにぎりでデザインのパッケージにある緑色とオレンジ色のデザインは、歌舞伎のイメージから取り入れられました。これはメーカーの方達が、日本の伝統を取り入れたいという考えに基づいているそうです。
まとめ
私が生まれる前から長く愛されてきた、おにぎりせんべい。
ほかのせんべいとの差別化のために形を三角にした、という狙い通り、見事に子供をはじめとするたくさんの人々の心を掴む商品となりました。
個人的に一番魅力を感じたのは、名前に“おにぎり”が入っていることです。“おにぎり”という言葉には何ともいえない幸せな響きを感じませんか?待ちわびていたお昼ご飯の時間、お母さんが作ってくれたおにぎりを食べる幸せがよみがえります。
そして、パッケージに歌舞伎の要素が入っていたとは予想外でした!おにぎりせんべいには日本らしさが詰まっているので、海外の方へのお土産にするにも良いかもしれませんね。
子供からのリクエストもあって、これからも我が家ではおにぎりせんべいを常備しておきます。日本で長く受け継がれてきたその味には、ホッと癒されるおいしさを感じます。